俺は所得だけで考えれば低所得で貧乏だが、時間に関しては少し豊かな生活を選択している。
ほぼ週休5日生活。
年間休日は270日くらいか。
前に、なぜドロップアウトしたのかについては簡単に書いた。
週5で働いて、さらに残業も多く土日まで働かせられるなんていう壮絶なブラック企業で働くなんて俺には耐えられない。
お金で買えるものだけで満たされる人だったら、それでも耐えられるのだろうが。
もともと大して頭の処理能力が高くないにも関わらず、何のために生きるのかとか、なかなか答えのでない問題をやたらに考えてしまう人間だったから、一人の時間が余計に必要だったのかもしれない。
読書も好きだし、景色のいいところに行ってボーっとするのも好きだ。
ただ無意味に歩きたくなったりもする。
遠くにいきたくなるときもある。
こういったことはそこまでお金はかからないが、時間を必要とすることだった。
大学の頃の友達は、なかなかいい企業に就職していて、金銭面と物質面では裕福そうな生活をしている友人もいる。
しかし、いかんせん忙しそうだ。
土日だけの休みで、たまった家事などを終わらせ、さらに友人との付き合いもある。
結婚した人たちは、家族のイベントなども加わりさらに忙しい。
その分、違う喜びもあるのだろうけれど、それが自分に合うかどうかは考える必要がある。
「幸せ」とは何か考える時間もないくらい忙しすぎる人も
金をたくさんもらって、家族をもって、マイホームをもって。
そういう人生がすばらしいと、小さい頃から教育でもメディアでも暗に刷り込まれてきた気もする。
果たして、自分にはそれが合うのかどうか。
それをちゃんと確かめることもなく、学生時代が過ぎていく。
学生の頃はまだ、毎日働いて生活するのが「普通」だし、自分もそうしなければいけないのかな、と考えていた。
他のいろんな可能性を探求するには行動力もなかった。
悶々と考えているだけで時間が過ぎていった。
しかし、その後で実際に行動してみれば、生活を工夫すればなんとかなったし、お金がなくて絶望するほどの経済状況でもない。
そして改めて気づいた。
自分の性格は上にも書いたとおり、1人でも楽しめるし、そこまでお金がなくとも楽しめる人間なのだ。
幸福観、つまり「何が幸せなのかを考えること」はきわめて主観的な問題だ。
だからこそ、自分自身をよく知り、いかに生きるか考えていかないと何が幸福なのかわからなくなる。
そのためにも、俺には人より余分に時間が必要だった。
この時間があったからこそ、ドロップアウトすることになったともいえる。
ブラック企業といわれるような週5以上で残業が何十時間、100時間を越えるようなところで働いていたら、時間がないので他に何もできなかっただろう。
現状維持の毎日をずっと繰り返していたかもしれない。
そして自己実現が日に日に遠ざかり、何のために生きているのかさえわからなくなっていたかもしれない。
就活サイトや転職サイトなど多くのメディアでは、「年収○○万円」が、まるで人間の価値を決めるかのように大きく掲げられている。
時間については、二の次になっていることが多い。
お金はなければ、「貧困」という言葉があって不幸をイメージしやすいが、時間がない場合「忙しい」とか「スケジュールいっぱい」とかいう言葉はあるが、あまり不幸そうなイメージを包含していない。
むしろ「忙しい」ことが充実しているとも考えられている世の中だ。
だけれど、「疲れた」、「社蓄」、「会社行きたくない」、という言葉がツイッターでも話題になるのだから、多くの人の頭の中でぐるぐる回っているのも事実なのだろう。
毎日忙しすぎるのである。
「時間的貧困」ともいえそうな状況に追い込まれている人は、かなり多いのではないだろうか。
こういうことを考えていると、ミヒャエル・エンデの『モモ』 という作品のことを思い出す。
作品の中に出てくる、お金に目を奪われて時間を吸い取られていく大人の様子を現在の自分と重ね合わせてみるといい。
お金と時間のことを考え直すきっかけとなるかもしれない。
児童小説にカテゴライズされているが、忙しい大人にこそ響く作品だと思う。
時間とお金、自分にはどれくらい大切か
自分がどんな人間か。
また、時間とお金がどれくらい今の自分に大切かを考える。
そして自分の性格に合った仕事を探して、自分のペースで仕事ができるのが1番だ。
仕事探しする前に、まずは自分の分析が必要な人もいるかもしれない。
自分を知るためにも一人の時間を作ることから始めるいいだろう。
誰かとずっと一緒にいるのは楽しいかもしれないが、自分のことを考えるには一人になる時間が必要だからだ。
一人の静かな時間をつくって、今までの過去を振り返ってみたり、心理学などの本を読んだり……
下の本は、自分を振り返ったり、自分の欲求を再発見するには良書だと思う。
特に芸術系のことに興味がある人にはお勧めだ。
自分について考える課題がいくつもでてくるが、これをこなしているうちに自分でも気づかなかった自分像が見えてくるかもしれない。
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