普通の生き方をドロップアウトするのは、自分が圧倒的な少数派になるわけで、誰の性格にも合うわけではない。
特に最初は、今まで一緒にいた普通に働いていたり学校に行ったりしている人たちと比較してしまったり、彼・彼女らと自分が違うことで孤独感に苛まれることもある。
それが原因で、元の道に戻りたいと思ってしまう人もいるだろう。
無職やニート状態になってみて、そんな状況が長く続いているのなら、みんなが歩む大通りを逸れて、わき道を進んでいくことは向いていないのかもしれない。
たくさんお金をもらってステイタスを得て認められたいという欲望の強い人は、いい大学に入って新卒で大企業に就職するという道を踏み外さないほうがいい。
会社でめちゃくちゃ働きまくって、出世したほうが近道だ。
なにより世間的に「普通」であることの安心感を得れるし、異性にもモテるので、ある程度の自尊心みたいなものを保つことができる。
だが、すでに「いい大学に入って、大企業に就職して……」という道から滑り落ちてしまった人はどうすればいいのか。
そういう人でも忍耐と根性のある人なら、競争社会での「遅れ」を取り戻すことができることもある。
俺の知っている人では、大学中退後、世界を放浪して、そのあと日本に帰ってきてフリーターを数年やったあと、30歳手前で結婚を機に就職した人がいる。
いくつかの会社で転職した後に、彼はまだ小さかった会社を株式会社にするところまでやった。
この人はめちゃくちゃ努力できる人だし、忍耐もある人なので特別な例ではある。
だが、無職・ニートを経験した後で「出世はそんなにしなくていいし、毎月一定の給料をもらえれば週5日働いてもいい」という考えに辿りつく人もいるだろう。
これくらいの無難な幸福のイメージの実現なら、俺の知っている人でもけっこうやっている人はいるので、そこまでハードルは高くない。
こういう考えに至ったなら、早く行動に移したほうがいい。
今回は、友達や知人の実例を交えながら、履歴書が空白で「職歴なし」の無職から正社員になって会社で働く方法を考えてみる。
履歴書が空白で職歴ナシでも、どんな仕事をやりたいのか
職歴がなくても、まずはどんな仕事を自分がやりたいのか、あるいはできる仕事が何なのかを考えるべきだろう。
なんでもいいから正社員というふうにやっても、結局仕事が自分に合わなかったら続かない。
コミュニケーションが苦手なのに営業をやるのは、走るのが苦手なのに50㎜走に挑むようなものだ。
なので自分の性格とできることをよく省みることが必要になってくる。
どんな分野に興味があるのか。
なぜそれに興味があるのか。
今までやってきたことで、どんなことが得意だったか。
普段の生活で、どんなことなら苦にならないでできるのか。
自分ではなんとも思っていないが、やってみたらやたら褒められたことはないか。
そういうことを、文字に書き出してみると少しは自分を客観化することができて、やってみたい職業が見えてくるかもしれない。
やりたい職種はあるが全く未経験。学校にいくのか、実際に働きながら学ぶか
未経験でも採用してくれる可能性があるなら、仕事をしながら学ぶ
自分を省みることで、やってみたいことが決まったなら、次はその職にどうやってなるのか。
未経験でもその分野に入ることが難しくない分野はある。
そういう分野なら、最初から職についてしまうのはいいかもしれない。
学校に行ったからといって、本当に実践で役立つスキルを学べるという保証はない。
学校では学んだけど、仕事でやってみたら全然違ったなんてこともあり得る。
そうなってしまったら、学校に行った時間とお金はあまり意味がなかったという考えにも陥りかねない。
なので、自分がやりたい分野が未経験でも採用されるチャンスがあるのなら、最初はバイトでもいいのでその分野に入ってしまうのは一つの手だ。
俺の友人では、ライター、カメラマン、映像制作、飲食業などの分野において、学校には通わずにバイトから仕事を得て独立した人がいる。
以下の記事にこれらの人についてさらに詳細を書いた。
お金をかけずに未経験からプログラミングを学ぶ。正社員の道も
未経験だけれどプログラマーになりたい。
でも学校にいく金がない。
そんな人には無料で学べるサービスもある。
こういうところは、仕事で使えるスキルを獲得してもらって、就職斡旋をすることで企業から収益を得ている。
なので、学んだ後で正社員になることも可能だ。
首都圏に住んでいるならGEEK JOBキャンプというところでも約2か月間で初歩からプログラミングを学ぶことができる。
こちらはJavaだけでなくPHPやRubyも学ぶことが可能だ。
GEEK JOBキャンプの場合、紹介先の企業は500社以上もあるようで、より幅広い可能性を視野に入れることができる。
対象は18~29歳まで。
場所は四ツ谷と九段下だ。
無料体験も行っているのでプログラミングの仕事が自分に合うかどうかも気軽に試せる。
興味がある人は行ってみるといいだろう。
こういうところを使って仕事につき、プログラミングを学んで経験をつめば、後にフリーランスとして働くことも可能になり生活の自由度を上げることも可能になるかもしれない。
お金をかけずにITの知識をつけて、それを仕事にしたい人には、なかなかいいサービスを提供しているところではないだろうか。
首都圏以外の人も、今はネットでもプログラミングは学べる。
たとえばTechAcademy [テックアカデミー]のように10万円くらいからデザインは学べるので、興味のある人はチェックしてみるといいだろう。
webで勉強する上では、難しいところやわからない場所がでたときは不安だ。
でもその場合もチャットで簡単に質問できるので、大きな問題にはならないだろう。
未経験の分野に挑戦したいがお金がないなら職業訓練校という手もある
やりたい分野が未経験では職業につくのが難しい場合で、しかもお金も厳しい事情があるなら、無料で授業を受けられる職業訓練校に通うという手もある。
今まで何らかの仕事について雇用保険を払っていた人なら、失業手当が継続して支払われるし、その他にも、受講手当と言って訓練を受けた日ごとに500円くらい支給される。
また家から訓練校までの交通費も支給される。
今まで働いたことのない人や雇用保険を払っていなかった人でも、失業手当はでないが、訓練自体は無料で受けられる。
最近はパソコン関連の訓練が増えており、ワード、エクセル、パワーポイントなどの基礎的なものから、ウェブデザインやプログラミングまで幅広い。
職業訓練の種類はけっこういろいろあって、地域によってそれぞれ違っている。
木工やジュエリーデザイン、観光ビジネスを学ぶものなどもあったりする。
俺の知っている中では、派遣社員の40代の男性が、仕事を辞めて観光ビジネスの職業訓練をうけて、ツアーコンダクターになった人もいるし、会社で事務の仕事をしていた30代の男性が、木工の職業訓練を受けて、家具職人になった人もいた。
職業訓練校に興味がある人は、住んでいる都道府県にどのような種類の訓練があるのかチェックしてみるといいだろう。
履歴書が空白でも実際に就職するために使えるサービス
ここからはとりあえず正社員になりたい向けのサービスを紹介する。
履歴書に書けるようなことがない人でも、そういう人を正社員になれるようサポートしてくれるサービスを提供している就職エージェントはいくつかある。
たとえば、DYM就職というエージェントは第二新卒だけでなく、ニートやフリーターといった今まで就職したことがない人たちも幅広く受け入れている。
経歴に不安があっても、スタッフが応募書類の添削や面接の対策もしてくれる。
今まで一度も就職活動をしたことがない人でも、就職するためにかなりの手助けをもらえるだろう。
最短の人は1週間で入社までたどり着く人もいるらしい。
東京、大阪、名古屋、福岡だけでなく、札幌、仙台、大宮、静岡、京都、神戸、岡山、広島、熊本と全国に展開しているので、サービスが受けられる範囲が広いのもここのいいところだ。
まだ20代なら職歴なしでも無料で様々な支援を受けられるエージェントを選ぶ
まだ20代なら企業も育成していこうという気になるらしく、職探しもそれ以降の年代より比較的やりやすい。
たとえば以下のような就職支援をしてくれる様々なサービスを就職エージェントから受けることができる。
希望の求人を紹介してくれるのはもちろん、エントリー審査に通りやすい履歴書の書き方や面接の対応の仕方なども教えてもらえるところは多い。
また、仕事で使うスキルを無料で学べるところもある。
基本的に、こういうエージェントに登録すると、電話やメールで一度連絡がきて、そのあとでエージェントに行って担当の人と今までの経歴や希望の職種や条件などを話をすることになる。
その後で、実際に仕事探しになったり、スキル獲得のための講習だったりが始まる。
こういったサービスを受けたい人は就職サービスを展開するエージェントに登録しておくといいだろう。
職歴ナシでもIT系の職業に就職したいなら
IT系の求人に経験なしでも挑戦したい方にはウズウズカレッジ が職探しのためのサービスとしてマッチするかもしれない。
対象は18~29歳で、東京の西新宿のオフィスに来られる人に限定されるが、サポートが充実しているのはウズウズカレッジのメリットだ。
未経験からでもたとえばITエンジニアになりたいなら、現役のエンジニアからプログラミング、ネットワーク、データベースを4週間にわたり基礎から学ぶことができる。
普通ならお金がかかる内容だが、ウズウズカレッジなら無料だ。
エンジニアとして不可欠な知識を無料で勉強できるというのはお金に余裕がない人にはお得感のあるサービスだろう。
ウズウズカレッジは、IT系の職種を中心に紹介しているが、営業の求人も少なからずあり、そのノウハウを身につけるコースも用意されている。
他にも、自分の客観的な分析をするためのカウンセリングをしてくれるし、希望する会社ごとにどうやって面接での受け答えをすればいいのか、繰り返し無制限で訓練してくれる。
キャリアカウンセラーも、元既卒・第二新卒なので、同じような立場の人間の気持ちをわかってくれやすいだろう。
ウズウズカレッジは、スタッフが紹介する全ての企業に訪問して、離職率や労働時間、社会保険の有無、雇用形態など基準を満たしているかを確認しているので、ブラック企業を紹介してくる確立はかなり低くなっている。
平均4週間で、内定率は90%だし、定着率も95%とかなり高いのも、こういう整ったサポートの結果に違いない。
俺も前にIT系の仕事をしたことがあったが、そこから言えることは、IT関係の知識は学んでおいて損はないということだ。
仕事を通して実務能力を身につけてからフリーランスになる道もあるし、IT分野以外で独立するときにもアクセス数を稼ぐためのwebページを作り方などの知識はあったほうがいい。
そういう意味で、将来的に使える知識を仕事を通して身につけられるウズウズカレッジは、職歴がない人にはかなりのメリットがあるエージェントだと思う。
職歴なしでも営業職で就職したい人が使えるサービス
既卒やフリーターの18~29歳の方で、営業職に挑戦したいけれど、経験がないという人には、無料で様々な研修を受けられるジェイックという就職エージェントがある。
ジェイックが紹介している職種は営業職が多いということは頭に入れておこう。
無職・ニート期間が長い人でも書類審査なしで応募でき、優良企業と面接できる機会を得られるのはメリットだ。
しかも公表では、就職成功率80.3%で、その後の定着率も94.3%とかなり高いので、今まで何の職歴もない人にはチャンスとなるに違いない。
応募できるエリアも東京だけでなく関東・東海・関西エリアで展開しているので、他のエージェントよりも多くの人が対象となる。
研修では、ビジネスマナー、身だしなみ、履歴書・職務経歴書の書き方や、面接の受け方などの就活に必須の知識を得ることができるのはもちろん、営業実務のロールプレイングをやった後、実際に飛び込み営業をやるなど、実践に即したものもある。
(この飛び込み営業をやるというのを見ればわかるが、営業をやりたくない人は、このエージェントには応募しないほうがいい)
紹介案件には大手の優良企業求人の紹介もあるが、ブラックっぽい会社を紹介されることもたまにあるらしいので、会社を選ぶ際には、事前にネットを使って評判を調べておこう。
職歴なし20代が奨励金をもらって仕事を探す方法
また20代で東京に通勤できる圏内に住んでいるなら、学校卒業後に就職しなかったり、就職したけれど短期間で辞めてしまった人向けに若者正社員チャレンジ事業というのもある。
この事業は、どんな職業に就きたいのかなど希望をカウンセリングで伝えた後、約20日の研修があり、そのあとに実際に企業で働いてみるという過程を踏むので、未経験だけれどやってみたい職種がある人には、実際に仕事を体感する良い機会になるだろう。
学校を卒業後、就職経験のない人や非正規の雇用経験しかない人、また直近2年以内に正社員の職歴が通算で1年以内の方が対象になっているので、本当は正社員として働きたかったが、ひょんなことから就活を辞めてしまった人や、就職してみたが仕事が合わなかったり、ブラック企業だったりが原因で辞めてしまった人には、マッチするかもしれない。
やりたいことがなくても正社員になりたい人
探してみたけどやりたいことがない。
しかも就職したことがない、職務として書けるような仕事をしたことがない。
そういう場合は、とにかくいろいろな仕事を経験して自分の特性をみるというのも一つの方法だ。
気軽に求人サイトで未経験OKの仕事を探したいという人は、バイトルNEXTというサイトはどうだろうか。
バイト探しでバイトルというサイトを使ったことがある人はいるかもしれない。
バイトルと同じ会社が運営しているこのバイトルNEXTは、バイトではなく正社員の経験が未経験の人でも応募できる求人を多数掲載している。
仕事の特徴のところで「未経験・初心者歓迎」のところにチェックをしてから検索すれば、どんな求人があるかチェックできる。
求人に応募する前に絶対に企業の口コミを調べておけ
今までも仕事を始めてからイメージと違ったということは多々あっただろう。
どんな仕事でもやってみないとわからない面があるからだ。
だけど、できるならそういう誤解は避けたい。
その一つの対策としては、働いている人、もしくは前にその会社で働いていた人の評判を知ることだ。
企業の口コミや評判を掲載しているサイトがいくつかある。
会社の社風、やりがい、なぜ辞めたのか、など実際の体験談を交えた情報が多数掲載されている。
たとえば、キャリコネや転職会議などのサイトなら多くの企業の情報を知れるだろう。
こういう企業の口コミ情報をみて、事前に興味のある企業についての情報を集め、良い求人を選び抜いてから応募しよう。
週5日働いて、決まった給料をもらうのが合う人もいる
「いい大学に入って、結婚して、家族をもって、家を買って……」 みたいな人生を自分の本心からドロップアウトしたのではないのなら、その人生の道を険しいとしか感じないかもしれない。
自分なりの価値観が芽生えているなら、道なき道を歩んで違う生き方を発見するのにやりがいを感じるだろうが、普通に働くサラリーマンが羨ましいと思いながら少ないお金で生きていくのは辛いだけだ。
たとえ、1度無職やニートを経験した後でも、やっぱり週5日で働いて決まった給料をもらうサラリーマン的な生き方が合うと思い直すようなことがある人は、さっさとその道を行くのが幸せにたどりつく近道になるのかもしれない。
普通にサラリーマンとして生きたほうが良い人もいれば、ドロップアウトしたほうが良い人もいる。
これだけが正解というような絶対的な生き方のモデルというのはこの世にはない。
それぞれの人が、自分に合った生き方を探るしかないのだ。
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