無職。
なんともいい響きだ。
この言葉をずっとみていると、職が無いことで、むしろ自分のアイデンティティが「職」つまり「働くこと」で無理に作っていた自分から解放されて、イキイキしている感じがしてくる。
俺だけかもしれないが……
無職というと日本では超絶にネガティブなイメージをもつが、長期休暇はもちろん取れず、有給休暇を使うことさえ気を使わなければいけず全部使い切ることさえ稀な日本では、無職にならないとできないことがたくさんある。
もし無職になることがなかったら、日本の場合、それは20前半くらいから70歳近くまでほぼ働くことだけに人生を捧げることになってしまう。
そんな人生に疑問を抱く人も少なくないだろう。
俺は無職期間は、実は自分を見つめなおし、人生に転機をもたらしたりする可能性を秘めているんじゃないかと思っている。
今日は、そんな無職期間にできることについて書いてみたい。
無職になったら溜まった疲れを取りストレスを解消する
日本では先にも言ったとおり、学生時代を過ぎたら、働き続ける限り長期休暇を取ることは不可能に近い。
俺が言っている長期休暇は1か月以上のものだ。
1年だって2年だっていい。
俺が旅行で会ったフランス人は、しばらく働いた後、失業手当がかなりの長期間出るのもあって、それをもらいながら何か月も旅していた。
ヨーロッパでは1年に1回くらいそういう長期休暇をとるのが普通で、1か月くらいの休みがいい区切りになり、気分も転換しやすい。
日本ではとれても1週間くらいではないだろうか。
1週間ではどうしても日常の延長上の時間意識から抜け出すことができないし、奥の方に溜まった疲れはそれくらいの期間では抜けなかったりする。
以前、こういう疲れを取る方法については以下の記事で書いた。
疲れすぎた身体がまともに動かなくなるのはもちろんだが、頭もまともに動かなくなる。
半分フリーズしたような状態が続いたりする。
そのまま放置すれば、自分が疲れているのかさえ判断できなくなって、うつ病をはじめとする精神病になってしまう可能性もある。
働きすぎて疲れてどうしようもないくらいになってしまったら、無職になってしばらく身体を休めるという方法を取るのも、長い人生の内では必要なことだと俺は思っている。
というかそれが許されなかったら、自由のない奴隷状態なんじゃないか。
え? そしたら日本て実は……???
無職期間には読書。読みたかった本が読める
本を読むのには、それなりに時間が必要だが、無職になったら自分のために使える時間が圧倒的に増えるので、読みたかった本を読む余裕ができる。
しかも無職になっている時期というのは、時間があるため頭の余白も多く、偶然性が入りこむ余地も多くなり、自分の人生に影響を与えるものも出会える可能性が高くなると俺は自分の実体験から思う。
読書と人生の転機については下の記事で書いた。
読みたかった本がある人は、この無職期にどんどん読むのがいい。
そして本屋に行ってでもAmazonでもいいから、ピンときた本があったらとりあえず読んでみる。
その直観が人間を次の世界に導くこともある。
無職になったら一人で旅行する時間ができる
日本で「普通」に働いていたら長期で旅行するのはほぼ不可能だ。
無職には旅行する時間もできる。
もし金銭的に許されるなら、長期で一人で旅行してみるのもいい。
贅沢しない貧乏旅行なら15万あったら、1か月は東南アジアやインドで旅行できるはずだ。
節約出来る人なら航空券を含め10万円でいける人もいるだろう。
日本国内だっていい。
今はホステルやゲストハウスで安いところもけっこうある。
18きっぷや長距離バスなんかを使えば移動費は安くできるし、出費不可能な額ではないだろう。
そういう旅行をしていると、人との出会いも多くなる。
その出会いが価値観や人生そのものを変えることもある。
人生はそもそも一人旅のようなものなのに、一つの場所に定住することでマンネリ化して、つまらないと思ってしまうことも少なくない。
無職のこんな時にこそ、旅に出てみるといいかもしれない。
無職期間には人生を振り返ってみる
自分の人生を振り返ってみる機会をちゃんともったことがあるだろうか。
ただ思い返すのではなく、図にしてみるとか年表にしてみるとか、とにかく紙にでも、パソコン上でもいいから、頭の外に出して書いてみる。
生まれたときから、今までの人生を1つの歴史みたいに書いてみる。
俺はマインドマップで書いているが、こうやって振り返ってみると、自分がどこへ行こうとしているのか、その方向性が少しは見えたりすることもある。
あの時にとった行動がここにつながってるとか、あの時の経験が今のこの考え方の基をつくっているとか見えてくる。
全部書くとけっこうな時間を要するので、これは時間のあるときにしかできない。
無職期間は絶好の機会だろう。
こういうことをやったことがない人は意外と多い。
人生という広い海の航海でどちらに行けばいいかわからなくなってしまった人は、人生の振り返り自省してみると、次に何をするべきか見えてくるかも。
無職期間だからこそ好きなことを思いっきりやってみる
ただの生活のためだけに働いている人は多い。
ほとんどの人がそうだろう。
さらに「やりたいことがない」という人もいる。
そんな状況の世界なのだから「やりたいことがある」人はそれを大事にしたほうがいい。
「本当はこんなことやりたくない」と思ってやってきて、なにかのきっかけで無職になった人は、この機会に「本当にやりたかったこと」を思いっきりやってみてはいかがだろうか。
「お金にならない」と割り切ってきたことでも、お金にならなくても自分の人生のためには必要不可欠なこともある。
その道は、ほとんどの人が選ばないので歩きやすくはないだろうが、ただやりたくないことを延々とやるより、もっと先に行ってみたいと思う道ではないだろうか。
無職だからこそブログを始める
もしあなたが、無職になって「やることがない……」と喘いでいるなら、俺は自分のブログを作る事をオススメする。
ブログをやって、それを見てくれる人がいたりすると、孤独になりがちな無職生活にもなにかしらの繋がりを感じられる。
無職の人が何をしているか、実は気になる人が多いし、そのほうが本来の自分を発揮できる人もいるので面白いことを書ける人もいるだろう。
小銭くらいなら稼ぐことも難しくはなかったりする。
ブログを作るのは無料ブログでもいいが、この際自分でウェブサイトを作れるようになったほうがいいと思う。
そうすれば、後で自分で何かしら始めるときに情報するのにも使える技術となるからだ。
今はWordPressというツールがあるので、そこまで専門的な知識がなくても、サイトのテンプレートみたいなものを選ぶだけでサイトの大枠は完成する。
あとは記事をかいていくだけ。
サイトの作り方の大まかな流れは下の記事で紹介しているので気になった人は見てほしい。
無職期間にお金がない場合
無職になったはいいが、お金がなくて焦っている人もいるかもしれない。
もらえる人は失業手当は絶対にもらおう。
その他やっておくべきことは下の記事で書いている。
もらえない人でお金がないなら、とりあえず自分のやりやすい仕事をするか、できないなら、家族の援助か公的な援助を求めるしかない。
生活保護などの公的援助は、最初は抵抗あるかもしれないが、これは困ったときに人間的な生活を保証している日本の一つの権利なので、困ったら使っていいものだ。
俺が海外にいた頃は、大卒で職がない人でも生活保護を普通に貰っている人を何人もみた。
当たり前のように生活保護を使っていた。
困ったら、とにかく困った状況から抜け出すことを考えよう。
「国民の税金から…」なんていう人たちのことは見なくていい。
生活保護なんて全体の予算からみれば、たいしたことがない。
生活保護を削るくらいなら、その前に削るべきところはいくらでもある。
税金は全体を幸福に導くために使われるべきで、今のように一部の権力者が得するためにかなり使われてしまっている状況のほうがおかしい。
働いても生活保護より、お金がもらえないとするなら、それは賃金が低すぎるのが問題なのであって、生活保護額の問題ではない。
むしろ、生存権をもっている人々の側が、賃金が低すぎることを批判的にとらえて、それならば生活保護を積極的にもらっていくのが当たり前だと、捉えられるくらいの意識になれば、この国の状況は変わるのかも。
人生の転機は無職期間にあることが多い
無職になると、やらなければいけないことがグッと減るため、時間に余裕がでる。
俺の場合は、上記にあげたように本を読んだり旅行したり、自分の人生を振り返ったりするわけだが、その過程で偶然性が入り込みやすく、それが今までの自分の凝り固まった価値観を壊して新しい世界を見せてくれることがある。
これは時間に余裕があるからこそできることだ。
なので無職期間にこそ、人生の転機が起こりやすいともいえるのではないだろうか。
あなたが無職になったのは、そんな転機が迎えに来ている途中だからなのかもしれない。
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