俺にも、仕事を辞めて無職になり実家でニートをしている期間があった。
週5日で働いていたより後のことで、少し頭がいっぱいになっている感じもあって、とりあえず休もうと思ってゆっくり寝たり、本を読んだり、外に散歩したり、自分の好きなことをやっていた。
(現在もたいしてやっていることは変わらないが)
これは、判断としてはけっこうよかったと思っていて、だんだんと自然に気力も湧いてきた。
休むのは、疲れてしまった人には必要なことだ。
無理して働くと身体も精神も破壊されてしまう。
しかし、元凶だった仕事を辞めてもまた新しい問題が勃発してしまうこともある。
今回は、そのことについて書きたい。
時間をかけて仕事探しのことを考えたほうがいい
忙しく働いてきた人は、とりあえずは休んだほうがいいと思う。
週5日で働いていた人の多くには雇用保険がでるだろうし、失業手当をもらいながらのんびりするのがいい。
また今まで働いてきて何か違和感を感じて来た人は、すぐに週5日とかのフルタイムの仕事では働かないほうがいいんじゃあないか。
たいして休みとらず考えもしないで、すぐにまた仕事を探す友達がけっこういたが、俺からみた感じだとミスマッチを繰り返す傾向があると思う。
前の自分の考えと変わらないまま、同じように職を探しているのだから、同じ結果になるのは十分に考えられることなのだけれど、焦っているときにはやりかねない。
焦って失敗すれば、いやいや仕事をする毎日にまた逆戻りして、「会社に行きたくない……」と思いながら毎日を過ごさなくてはならなくなる。
そもそも自分のことをよく知らなければ、どんな職種が本当にやりたいことで、どんな職場が、どんな働き方が自分に合っているのかもわからない。
学校教育では、受験勉強のためだけの勉強を延々とやるだけで、自分のことを考えるために時間がほとんど使われていないからか、やりたいことがわからない人がないと言う人が少なくない。
自分の人生を振り返ったり、人生の進む方向を考えるには時間が必要だ。
仕事・職探しを先延ばしで後悔するのは雇用保険も貯金もない人
気力が湧いてからも、元気は元気なのだが、もう少しゆっくり本でも読みたいなと思って家にいたのだけれど、家賃を無料にしてもらっているとはいえ、税金は取られるし、ちょっと外に行けばお金もへっていく。
年金の減免届けを出しているとはいえ(無職で出してない人は出してください)、収入がゼロになっている身としては税金だけでイタい出費だ。
大した貯金もなかったが、それでも貯金残高が目減りしていくのをただ見ているのは気分良くはない。
それでも、まだいいだろうと、失業手当てが終わってからも、面倒な職探しを先延ばししていた。
無職・ニート状態から脱出したくないわけではなかったが、また労働の毎日も嫌だった。
だけれど、働かねばお金は減っていく。
ゆっくり休むためだったのに、この先延ばしによって、お金が減っていくスピードが増し、逆に焦りを生じさせていた。
結果として焦りがイライラと自己卑下につながり、精神的に鬱屈した期間もあった。
今思えば、あのとき週2日くらい働いておけば、〇〇万円くらいお金に余裕があったのになぁ、なんて思ったりするんだけれど、それも後の祭り。
それでもまだ「完全にお金がない!」というわけでもなかったから、その後、適当に週2~3回くらい仕事をすることになって、時間に余裕がある生活を保てた。
俺の友達には、類は友を呼ぶのか、無職・ニートの友達や、そういう期間を経験した友達が少なくないのだけれど、皆同じように、貯金が減る前に週に1回か2回くらい軽めの仕事で稼いでおけばよかったという。
そうすれば、お金が減っていく圧迫も軽減されるし、気持ちに余裕が持てるから、というのも同じ理由だ。
最近も、ここ何ヶ月か無職でいた友人が、貯金残高の減り具合に焦り、重い腰をやっと上げた。
彼の場合は、貯金がなくなるギリギリのところまでいっていたので、週5日くらいで働かざるを得なくなってしまい鬱々としていた。
「もっと早く適当に仕事をしておけばよかったんだけどなぁ……」と彼からも同じような言葉がこぼれるのを聞いた。
何もやっていない状態が続くと、変わらない状態を維持するようになり、そこから変化をしたくなくなる。
そこまでお金に余裕のない人の場合、この状態から抜け出せなくなると、お金が減っていくがやる気もでないという泥沼にハマることになりかねない。
消費者金融やクレジットカードの支払いに追われるようになる前に、余裕をもって行動したほうが後々の気分に断然の違いが出ると思う。
収入が途絶えてしまう場合にできる気軽な仕事
しかし「先進国」といわれる括りの中において、日本は雇用に関係する社会保障が手厚くはない。
そのため時間を得るためにも生活するお金をどうにかして稼がなくてはならない。
雇用保険をかけていたとしても自己都合だと3ヶ月後からという制限があったりして雇用保険の手当ても使えないし。
(週5日のものが多いけれど、職業訓練をうければすぐもらえる)
福祉が手厚い国に生まれなかったのも運命か。
そうだとするなら、「お金がない !」と圧迫させられる前に、精神的な負担にならない程度、週に1~2回くらい働き、少し金銭的な余裕をもちながらゆっくり考える時間をもつようにしたほうが、お金のことで鬱屈させられるよりはずっといいだろう。
俺は失業手当もなしで無職になったとき清掃バイトから始めたが、職種に関しては自分の適性にあったものを選べばいい。
あなたが都市部に住んでいるなら、Uber Eatsでの宅配の仕事は気軽にお金を稼ぐ一つの手段だ。
そのことについては下に書いている。
自分に合った職種があるなら、単発バイトで月に数万程度働くというのも1つの手だ。
短期のバイトは、たとえバイトの環境が合わなくても、期間が限定されているので後腐れなく辞められる点は気分として楽。
単発で探すなら場合は、給料の高い求人で検索しやすいバイトルや、定番のFrom Aで短期のバイトなどいろいろ方法はある。
もしくは、俺がやっている方法だが、土日に高時給で働いて、最低限の収入を確保するというのも1つの手だ。
少しでも働いて収入があると、貯金残高が大きく減っていくのを見る辛さも軽減される。
貯金が底を突きそうになってからだと、週4日とか週5日勤務で働かなくてはいけなくなるから辛い。
そうなると時間の余裕もなくなり、また労働中心の毎日に戻ってしまう。
少しお金に余裕がある状態で週1日か2日働く程度なら、週休が5日くらいあるわけだから、そんなにあくせくしなくとも考える時間をもてる。
失業手当をもらえたり、貯金があったり、ニートになれる状況がある人はこういう時間的な余裕はつくりやすいはずだ。
完全無職ではなくなるが、このほうが長期的に時間に余裕がある状態をつくりやすいし、適度に外にもでていくので、精神にも健康にもいい。
収入がなくて貯金もない人は社会保障の手当をもらう
1人暮らしで家賃が負担になる人は、無職になったら住宅支援給付はもらっておこう。
東京なら5万くらいは3ヶ月間もらえる
こういう時間に余裕のある状態なら、本を読んだり、散歩したり、ボーっとしたりしているうちに、自分自身のことについて新たに気づく機会も多く、それが今後を考える上で役立つこともある。
病気などで働けない場合は、生活保護を申請するのが得策だ。
働くというのは健康あってのものだし、無理して働いても結局続かない。
生活保護をもらうのに抵抗ある人もいるかもしれないが、それは日本という国に恥の文化があるからである。
社会保障の発達しているヨーロッパの国々では、もっともらいやすいし、日本人からみると「え!こんな人ももらってるの?」みたいなこともあるが、それは人の生活を保障するという当然のことを国がやっているからで、それが安心できる本来の生活保護のあり方なのである。
恥の文化なんていっているより、自分が安心できることが重要ならそうするしかない。
生活保護のもらい方としては以下のようなサイトが参考になるだろう。
労働から解放される無職・ニート期間は、日本では貴重な自分自身と向き合える期間
無職・ニート期間は、「普通」の人からみれば、ダメなやつが陥る期間とみなされるのかもしれないが、俺が思うには日本において労働中心の生活から解放される貴重な期間だ。
できるだけ、「仕事に行きたくない」と思うようなことを繰り返さないためにも、本当はどうやって生きていきたいのか、自分のことをゆっくり考える時間を今のうちにもっておけば、これから仕事選びで失敗することも減るかもしれない。
ゆっくり休んだ後、頭が少し自分のために回転してきたら、お金の心配に追われる前に、ちょっとだけ働きながら、今までの自分を振り返ったり、これからの生き方をゆっくり考えるのがいいというのが、俺自身の経験でも周りの無職・ニート期間を経験した友達に聞いたところでも意見が一致するところ。
お金はなさ過ぎると、本当に心を蝕むし、焦りも生じさせて、人生の選択を誤りやすくなる。
行動を起こすのは面倒だけれど、ギリギリまで待つより、少しだけ早めに行動に移しておいたほうが、長期的にゆっくりと考える時間をもつことができるし、自分と向き合う余裕も生まれて、結果的にいい方向に行くんじゃないかと思う。
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