1日8時間労働。
あるいは、それ以上働いている人も多いのだろう。
当然のことだが、働きすぎると身体も頭も疲れてしまう。
仕事が終わって家に帰ったら、深夜。
それからできることといえば、シャワーを浴びて、寝ることくらいだ。
疲れが溜まっているときに、世界情勢がどうなっているとか、日本で何が起きているのかとか、知りたいと思う人は少ないのは当然だ。
頭を使って理解するにも、エネルギーが必要だから。
家に帰ってきたら、まず身体を休めるのを第一にするのは当然。
テレビをみても、バラエティ番組ばかりになっているのは、そういう疲れた労働者の心理を投影したものなのかもしれない。
ニュースとか、シリアスなドキュメンタリーをやっても、くたくたになっていたら、見る気にならない。
疲れていたら、ネットでもそういう内容の情報を調べたいとも思わないだろう。
そして、休日。
土日になったら身体を休めたい。
だけれど、1人暮らしをしていたら、溜まった家事をやっていたら、休日の1日なんてすぐに終わってしまう。
結婚して家族なんていたら、「家族サービス」なんて言葉があるくらいに、単純に休むこともできない。
そんな状態なら、政治への関心は、どんどん薄れていく。
労働時間が長すぎることで、政治に無関心になっていけば、自分の幸せからも遠くなる?
しかし、政治を放棄するというのは、自分の幸せを放棄するようなものだ。
本来の政治っていうのは、1人1人が自分の「幸せ」っていうのはこういうものだよっていう理想を総合して実現していくもののはずだ。
1人1人が、こういう社会であってほしいという思いを集めて総合したものになるべきなのだ。
それなら、本当は日本に1%しかいない少数派だって、国会で1%の議席を持っていてもいいはずなのである。
だけれど、現実はそうなっていなくて、選挙のシステム自体、大多数を代表する人に有利になっている。
立候補するのにも、何百万のお金が必要なので、どこかの政党に入っていないと当選もままならない。
こういう政治のシステムは問題だけれど、働きすぎて疲れていたら、政治がおかしいと思っても何がおかしいのか細かく調べたり、いちいち行動するのも面倒になってしまうのは当然だ。
疲れていたら、楽になりたいという欲求が働き、まずは身体も頭も休めたくなる。
政治のことは……まあいっか。
そして投票率が低くなり、いつのまにか、「週5日8時間働いてもお金がない」みたいなシステム作りが、政治家と会社の経営者などの資産家のタッグによって作り上げられてしまう。
現在、政治を動かしているお金と権力を持っている人たちは、自分たちの利益のために、税金を集めたいし、あるいは会社の利益を高くするために、できるだけ安く長い時間労働者を使いたい。
そのために、政治家と組んで、労働者を解雇しやすくしたり、労働時間を制限なくしたりするような法案を通そうとする。
そうなると、さらに働く側としては、辛い労働環境になってしまう。
日本の根本的問題は労働時間が長すぎること。得をするのは……
働きすぎて、疲れる。
疲れるから、頭を使うような難しいことは考えたくない。
選挙にも行かなくなる。
そして、いつの間にか、政治、つまり自分が幸福だと感じる世界を作り上げるための方法が、一部の人たちによって行われているのが、現在の日本ではないか。
その一部の人というのは、もともとお金を持っている家から生まれた政治家の息子や孫だったり、経営者の子孫だったり、つまりはすさまじい金持ち。
そういう人たちがさらに自分の利益の追求のため、労働者はこき使われるという、悪循環になっている。
長時間働かせられることから逃れて、何が自分の幸福か考える、つまりは政治を考える人が増えていけば、この状況は少しは変わっていくのかもしれないけれど。
労働時間が長すぎること。
これが今の日本の根本の問題。
もうどうにかするしかない時期に来ている。
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