ツイッターで「貧困」の目安に関するつぶやきを見かけた。
テレビでどこかの教授かなにかが話していたらしいのだが、
手取りの収入から家賃を引いた額が「8万4990円以下」ということらしい。
俺も貧困層にほぼロックオン。
そりゃあそうだ、スーパーに行っても1日に使えるお金を超えないように神経使うし、
友達と外食するときも、あんまり高い店にはいかない。
低所得者だし。
俺の友達には、金がないやつが多いので、遊んでもそんなに出費しない。
だから、けっこう助かるのだけれど、
まれに「普通」に会社で働いてる友達とたまに食事にいったりして
彼らの散財っぷりをみると、
ああ、俺は金がないんだなぁとは思う。
俺は1人暮らしだし、
金がない代わりに、
時間があるからまだ救いがあるが、
家庭をもっていたり、シングルマザーだったら、
だいぶ過酷な状況だと想像できる。
お金がなくてどうにもならない人をきちんと救える制度は、
もし日本が「先進国」だとするなら真っ先に整えていくべき制度だ。
生まれた瞬間からお金のある家に生まれれば、
こういう問題に無頓着で、一生を終えられるかもしれないけど、
人間の人生は不平等で、生まれたときから、
お金のない家に生まれることもあり、
そうなると教育の機会を筆頭に、
いろいろなチャンスを奪われる。
それに加えて、
病気になったり、事故にあったり、
人生には何がおこるかわからないから、
今は「普通」だと思っていても、
いつ「貧困」状態に陥るのかはわからない。
今は「普通」の生活ができる一般の人だって、
思いもよらぬ事故や、病気で、いつ働けなくなるかわからない。
一度も「転落」したことのない人には、
そういう状況が想像しにくいのかもしれない。
貧困やそれを超えたどうにもならない状態に
どうしてなるのかを知りたい人は
『最貧困女子』を読んでみてください。
想像を超えた貧困が日本にもあります。
生活保護費が高いのが問題ではなく、賃金が低すぎるのでは?
生活保護も、こういう不平等な社会を生きるには
必須の制度の一つだ。
この生活保護費が最低賃金より高いとかいわれて、
前からメディアでとり上げられていたけど、
あれは論点をずらされている気がする。
これは人間の嫉妬する性質を使って、
お金がない人たちを対立させるような論争になってしまっているが、
本当に問題なのは生活保護費が高いことではなく、
「賃金が低すぎる」とか「賃金が上がっていない」ことが問題なんじゃあないか。
だいたい、雇い主に給料上げろなんていえる労働者は、
ほとんどいないだろう。
労働者の立場が低く、
労働組合のような労働者のための団体もない。
全員で働くのを拒否するストライキもおこることがない。
賃上げするために交渉する場がほとんどなくなってしまっていて、
会社とか雇い主が圧倒的に強くなっている。
こんな状況ではなかなか賃金は上がらないのが当然だ。
大きな党の政治家が賃金上げろといくら言ったって、
それは支持を得るためのパフォーマンスで、
大きな党を維持するための金や票というのは、
様々な企業の集まった団体などから出ているので、
賃金を上げたくない雇い主の意向には結局逆らえない。
だから、お金のない人は、
選挙に立候補する人たちが、
どういうところからお金の支援をうけているのか考えて判断すべきなんだけど……
生活保護費を下げて得をするのは誰なんだろう
ネットの情報から推測するには、
「生活保護費が高い」ということにばかり
メディアのフォーカスが当たっていたようだ。
生活保護をもらっている人たちの中の一部の生活、
特に「普通」の人たちに感情的に訴えかけそうな
パチンコなどのギャンブルをしてる人の生活を
メディアが大きくとりあげていたという話は聞いたし、
そういうことをテレビのワイドショーなんかで話題にして、
コメンテーターが騒いで削減するべきだという空気が作られていったのは想像がつく。
「不正受給」は全体の0.4パーセントと、ほんの一部なのに、
まるでそういう人が多いかのようなイメージが作りあげられた。
貧困とは全く縁のなさそうな政治家が、
テレビカメラの前で熱弁をふるっているのはネットでも見た。
そんなこんなで結局、削減されることになった。
けれど生活保護費を下げて何に使われたのかよくわからない。
これ、超重要な問題だと思うんですけど。
生活保護を下げて嬉しい思いをするのは、
税金を集め、どこにお金を回すのかを決めているような、
お金を持っている人たちじゃないか。
国の予算がたりないと言うわりには、
五輪のスタジアムにお金をかけたり、
海外に援助と称してばら撒いて、
インフラ整備とかで日本の大企業に受注させて、
いろんな大企業の上の人たちにお金を回しているのはなぜだろう。
もちろんその下請けにも少しはお金がまわるだろうけれど。
それでも上で金回してる人たちに比べたら、すずめの涙程度のものでしょう。
さっきの「手取りの収入から家賃を引いた額が8万4990円以下」の人たちや、
それよりは、少しは多い給料をもらってる人とか、
「貧困」状態に陥りかねない層には、削減されたお金はまわってこない。
日本の約40%の人は年収300万以下らしいが、
生活保護下げられても、この層の人は得することは何もないと思う。
逆に「貧困状態」になったときのリスクがあがるだけだ。
もう少し収入を得ている人たちでも、
生活保護費を下げた結果、利益を実感した人はいるのだろうか。
問題は、さっきも言ったけど
「生活保護費が高すぎる」のではなく、
「労働者の賃金が低すぎること」なのでは。
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