前回の記事で、少し前に3週間の休みをとったことを書いた。
もう休みは終わってしまったけれど、思い切って休みをとってよかったと思う。
暑さのせいかもしれないが、何もやる気がでなくなっていたのが、少しは活力が湧いてきた。
休むことは大事だ。
たぶん、お金を稼ぐことと同じくらい大事だ。
俺は週休5日の生活をしているんだから、休みとそれによってできる時間をお金より大事にしているんだろう。
昔に1人旅で海外に出かけていた頃に会ったヨーロッパからの旅行者は、1ヶ月くらいは有給休暇をもらって旅行している人が多かった。
話を聞いてみると、有給休暇以外にも、病気の休みももらえていて、熱を出して有給休暇を使う人が多い日本とは大きな差があるなぁと思ったものだ。
実際に住んでみたこともあって向こうで働いたこともあったが、日本のアルバイト的な働き方でさえ、1年で3~4週間の有休はもらえた。
有給休暇中は、休みをとりながらも給料も入ってくるので、お金のことを考えなくていいし余計な心配がいらないのがいい。
そんな有給休暇を1ヶ月を取れる国々が前から羨ましかった。
現在は俺は日本に住んでいるわけだけど、どうにか自分の性格に合わせたライフスタイルにしようと試行錯誤しているところ。
より理想に近づけようと、前からヨーロッパの人たちみたいに1年に1回くらいは1ヶ月のバカンス的な休暇をとりたいとは思っていた。
そこで、若干理想より短いが3週間の長期休暇をこの間とってみた。
今回は、その長期休暇をとってよかったと思うことを書いてみようと思う。
長期休暇をとって気づいたこと
長期で休暇をとると、心身が休まりだんだんとエネルギーが溜まる
身体は、ただ休み1~2日とっても、外に遊びに行ったりしているのでは休まらない。
それは『心の疲れをとる技術』という本から引用して前の記事でも書いた。
今回、3週間の休みをとることで、一番重視したのはココだった。
週休5日でも、俺は毎日ずっと布団にいるような生活をしているわけではなく、自分のやりたかったことのために時間をつかったり、このサイトの記事を書いたり、自炊をしたり、ヨガをやったり、やることはいくらでもあるので、すごい暇だと感じるほどではなかった。
そういうことと、週2日だけの生活資金のための仕事を繰り返していたら、夏ということもあってか、「疲れたな」と感じることが多くなった。
俺はけっこう肩が凝ることで、疲れが溜まってるな~と感じるんだけれど、寝て起きても肩が重くて、すっきり起きられず、毎日寝起きも悪かった。
休暇の1週目は、まだ肩も凝っていたんだけれど、2週目からだんだんと取れはじめ、3週目にはだいぶ楽になっていた。
自分のエネルギーも、これと比例するように、枯れた井戸にだんだんと水が溜まっていくように感じられた。
これだけ長期の休暇がとれるんだったら、前の俺なら貧乏海外旅行に出ていってやろうとでも考えるところだったが、今回はそれさえも面倒くさくなっていた。
そんなふうに思ってしまうくらいだから、疲れがとれていなかったのだろう。
疲労状態からは回復できた感があるし、今回は休んで正解だったと思う。
お金に余裕がある人は、長期旅行でビーチリゾートなんかに行って忙しく観光なんてほとんどせず、ゆっくりするのも1つの手かも。
長期休暇をとると、時間的に余裕ができて、頭にも余白ができる
休みをとったのだから時間的に余裕ができるのは当然だ。
いつもよりダラダラできる状況が長く続く。
でも、週休2日みたいな状況ではそうはならない。
たとえば土日休みだとしたら、土曜に1日やすんだとしても、日曜になったらもう月曜のことを考えてしまう。
明日から仕事だと思うと、なかなか気持ちがゆったりする状態にならない。
月曜が憂鬱……という気持ちがふわふわと意識にのぼってくるのも意外とストレスだ。
3週間くらい休みがあると、「明日から仕事か……」といういやな思いは遠ざけておくことができる。
小学生だったころの夏休みを思い出してみるといいだろう。
毎日、朝早く無理やりに起きなくてもいいし、学校にもいかなくていい期間が1ヶ月くらい先まで続くのだ。
強制的に何かをやらされることから解放される時間というのは、思っているより重要なのかもしれない。
そうすることでやっと何もしなくていいんだという自由な気分を得ることができて、いつも一定の時間で何かをしなきゃみたいに考えていた頭も少し休まるのか、頭にも余白みたいなものができるように感じた。
長期休暇で余裕が生まれると頭の中を整理できる
忙しいときは、頭が常に何かを考えているから、たくさんのことを処理しようとするんだけれど、それらが整理されているかといえば、そうでもないと思う人もいるだろう。
俺は、頭に多くのことが次々に浮かんでくるタイプで、同時処理できないことが多い。
それが途中で止まってしまってそのままになっていることがよくある。
とりあえずやらなくてはいけないことの処理を続行するんだけれど、時間がない状態がずっと続くと、どれが1番やりたかったのか優先事項があいまいになってしまうこともよくある。
とりあえず手元にあることをこなしていく状態。
これは目標を失ってしまっている状態で、地図をなくしたまま、休憩なしに知らない場所を歩いているようなものだ。
まあ、地図なしで歩き回るのも楽しいことは楽しいが、休むことなくそれが続けば、どこにたどり着くこともなく疲弊してしまうこともある。
俺の場合、こんな状態のときは決まって部屋が散らかっている。
これは「休め」というサインだ。
長期で休みをとると、さっきも書いたように、時間に余裕ができて頭にも余白ができる。
そんな状態でお茶やコーヒーでも飲みながら、自分の今までやったことを振り返ってみると、立ち位置がはっきりしてきて、優先事項も浮かびあがってくる。
頭がリセットされる感覚。新たな気持ちで物事にとりくめる
多くの人が学生時代の夏休みや冬休みなどは経験しているので、長期の休みをとることで頭がリセットされるような感覚になるのは体験済みだと思う。
長期休暇をとると、物事にも新たな気持ちで取り組めるので、無理にだせといわれるような搾り出す「やる気」ではなくて、自然とでてくるタイプのやる気がでてくる。
長期の休みなしには、働くだけの日常が延々と続いていくだけで、毎週月曜が嫌だ~と思いエネルギーを消耗するだけだ。
旅行するために仕事を辞める人もいるくらいだから、離職率を下げることにもつながるかもしれない。
長期で休みをとることで、なんとなく過ぎていく時間に区切りがつき、頭の中が整理されることで、1年のサイクルにいいリズム感を出すことにつながるんじゃあないか。
ヨーロッパの人たちがバカンスを取る効用の1つはこういうこともあるんだろうと思う。
日本の企業も、まともにやすみを取れるような状況をつくったほうが、結果的にいいと思うけどなぁ。
まあこれだけブラック企業があるくらいの国なんだし、多くの経営者は人間をただの消耗部品としてしか考えていないだろうから当分そんなことにはならないだろうけれど。
疲れをとるために、長期休暇をとれる環境をどうやってつくるか
今の日本では、どこかの企業で雇われて働いている限り、長期休暇をとるのは難しいだろう。
一部のヨーロッパの外資に勤めるのは一つの手かもしれない。
昔、フィンランドのノキアで働いている人と飛行機の中で隣になり話をしたが、やはり長期休暇をもらっていた。
なかなかそういう仕事を見つけるのは難しいだろうが。
俺の周りでそういうことができている人というのは、自営業者・フリーランスの人たちだ。
1年の内に一定の期間で一気に稼いで、一定の期間休むというライフスタイルの人が多い。
観光業で生計をたてている友人は、オフシーズンに長期で休暇をとって旅行したりしている。
農業をやっている人の中にも、冬に長期の休みをとっている人もいる。
俺も、週2日生活するお金のために働いているが自営だから、休暇をとるのも自由がきいた。
そう考えると、自分が得意なことや、自然とできるようなことで自営業を小さいところからでいいから始めるのもありだろう。
『ナリワイをつくる:人生を盗まれない働き方』という本は、そういうことに挑戦したい人の参考になるはずだ。
ナリワイをつくる:人生を盗まれない働き方 | ||||
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週2日くらいのバイトでも、長期休暇をとりやすいかもしれない。
たくさんバイトがいるところで土日のみの仕事で働けば、代わりもいるし、そんなに文句も言われないだろう。
社会の側をすぐに変えるのはすごく難しいので、長期休暇をとりたいなら自営をしたり穴場的な仕事を見つけたりして、抜け穴的生き方を探っていくほうが近道になるとは思う。
そういう人たちが増えて「いいな~」となんとなく思わせることができれば、全体の人口の中にかなりいるであろう流されやすい人たちも、そっちをむき出して働くことが中心過ぎる社会が変わっていくかもしれないし。
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