相変わらず、仕事はだいぶ減らしている。
というかほぼやっていない。
ほぼ無職状態。
その代わりに今は本を読むのと、ヨガと瞑想をしている。
これがけっこう効いたかも。
おかげで、自分の中でまた少し世界の見方が変わりそうだ。
転機にやることとしては当たりだったのかもしれない。
こいつはヤバいと思う人もいるかもしれないが、俺はドロップアウトする人間なので、そもそもが異質なんだよ。
そうじゃなくて、何にも疑問を持っていなかったら、普通に大学出て、会社で働いてる人生になってただろう。
疑問を持ったときに俺は何をしたんだろうか。
思い返すと、俺の人生の転機にはいつも読書と一人旅があった。
今日はそのうち読書について話をしよう。
人生の転機にはいつも読書をする日々を送っていた
読書は、自分の直接知らない人にもかかわらず素晴らしい体験をした人の考え方を知る機会を与えてくれる。
読むことで自分もいろいろ考えるので、マンネリ化している頭に新しい刺激を得ることもできる。
俺は大学に入ってしばらくしたころ「自分は何をやっているんだろう」と空虚さに悶えている時期があった。
それなりに勉強して入った割には思ったよりも充実感がなかった。
たしかにこのままいけば大学を卒業資格を得ることはできる。
だからといって、それで本当に自分が何かを学んで得たことになるんだろうか。
実際そのときも自分の内面は全然満たされてはいなかった。
自分の内側の欲求と大学でやっていることの齟齬みたいなものはずっと前から感じていた。
それで、とにかく本を読む生活を始めた。
朝起きて、図書館に行って授業以外はずっと本を読み続けるという毎日。
3~4冊くらいを平行して読むのでバッグにはいつも本を入れて歩く。
図書館と喫茶店が俺の居場所だった。
小説、哲学、心理学、美術、経済学、歴史学、政治学、宇宙の話と区分を問わずいろいろ読んだ。
今でも世界のことをほとんど何も知らないが、この時も自分がいかに無知であることを知る結果となった。
これまで世界でたくさんの人生きて、様々な人生を生きて考えたことを、文字にして伝えてくれているんだから無知と悟ったなら読むしかないだろう。
もう読書したことの細かい内容は忘れてしまってはいるが、あの体験によってそのころ考えていた自己や世界観は何度もぶっ壊された。
その経験は今の自分につながっていると思う。
人生の転機にお金の本を読んでも価値観は変わらない
もしあなたが人生の転機を迎えているとしたら、お金持ちになる方法とか、そういう類の本を読まない方がいいかもしれない。
なぜならそれは結局、今まで生きてきたこの社会を覆いつくしている価値観で、おそらく今まで自分が持っていた価値観とほぼ変わらないことを説いているからだ。
「お金が何より重要で、それをいかに楽に多く稼ぐか」
本屋に行けば、そういう本が山のように並んでいる。
家族や学校からも、無意識のうちに教えこまれる。
確かに多くの人が悩んでいる問題はお金の問題だ。
多くの人がこのお金について多くのことをこれまでもたくさん書いている。
誰かがすでに書いたようなことをコピーしているだけみたいな本が多く出回るほどだ。
ということはだいぶその知識は共有されたはずだ。
なのにも関わらず、悩む人は減らない。
ということは、こういう本は解決にならないことを証明している。
そういう本はいろいろノウハウを説くが、ほとんどの人は真似をしても失敗する。
(たまにうまくいったように見える人も見かけるかもしれないが、だいたいは人を騙したり、不正をして稼いでいたりする。よくネット上で見かけるアレだ)
加えて、お金っていうのは中毒性があって、いくらあっても足らないと思ったり心配してしまう人というのが実に多い。
安心するためにお金を集めたのに、結局お金をどうするかで悩むことになる。
悩みの本質はお金ではない、ということも少なくないと俺は思う。
(だからといって、この国の税金のとり方と配分の仕方はおかしいので腹が立たないわけではない)
人生を変える本はいつも読まないジャンルにあるかもしれない
そもそも今の日本社会は、一部の人しか頑張っても報われない社会になっている。
生まれた場所で多くの人生の要素が決まるのは生きている年数が多くなればなるほどに気づくことだ。
もちろん半端でない頑張りをして、のし上がる人もいるけれど、その頑張りができるのはほんの少数の人間だけ。
また、一定しかない富を奪うということは誰かを蹴落としているわけで、また敗者が生まれる。
この競争において誰かの幸福は誰かの不幸だということ。
一方、そういう「競争して勝つ」みたいな生き方もこの世にはたぶんある気がする。
自分が野生動物だったと仮定して、みんなが狙う獲物を同じ場所で同じようにして捕らなくても、生きる方法は他にあるとは思わないか。
最低限のお金は生活に必要だが、お金だけが幸福度を決めるものではないことに多くの人が気づいているとは思う。
お金の問題で悩んでいる人の中には本当は価値観の変化を求めている人の方も少なくない。
なので、そういう今までの価値観から外にだしてくれる本を選んでみるといいかもしれない。
たとえばビジネス書とか新書棚よりも、小説や思想の棚で探してみるとか。
少なくとも自分の人生を省みるような本の方がいい。
たとえば、やたらに焦っているなら、老子の本でも読んで少しは今の自分を見つめなおしてみるといいかもしれない。
人間は肉体的には20歳にもなれば、そこから身長が伸びたりすることはないけれど、精神的にはそこからまだまだ変化する余地がある。
精神的な変化というのは目には見えづらいので、今の日本社会では見過ごされやすい。
その結果、何歳になっても精神的に成長がない人というのは結構いる。
それは自我の表れ方でだいたい分かる、と今の時点では俺は思っている。
人の人生には段階があって、それによって自分の精神も本来は多様に変化していくものだ。
今の日本は、なぜか見た目をものすごく気にする文化になっていて、若く見えることをなぜかみんな躍起になって追求している。
歳を重ねることをただの老化としか捉えられないようだ。
歳をとるのは自然なことで否定することではない。
むしろ歳を重ねないとわからないことも多くあるし、俺自身もそうだが精神的には結構変わると実感している。
そういうことに興味がある人は前に記事でも書いたが『トランジション』という本を読んでみると良いかもしれない。
実際に俺が転機のときには他にも多くの本に出合った。
その個別の本については、また違う記事で書こうと思う。
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