旦那になったら嫁に飽きた? 不倫がばれた浮気男たちの話

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久しぶりに故郷の旧友たちと会った。

みんな堅実な道を歩いている人たちで、職業も「安定している」といわれる公務員や銀行員、警察や地元優良企業とかだ。そしてほぼ全員結婚している。

俺はこの旧友たちの中だとかなりの変わり者扱いになる。

大学へ行ったところあたりまではみんなほぼ同じだったが、その後の何年かで内面にジワジワと変化が起きて結果としてドロップアウトの道を俺は歩くことになった。

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自分の内面が変わってくると友人関係も変わっていくので、普段よく会う友達の中では奇異な目でみられることもない。

だが、こうやってたまにしか会わない昔の友人たちに会う途端に自分は異端になってしまう。

思ってみれば中学や高校の頃は、そういう友達と一緒にいたわけで、俺もそこに溶け込めるくらいの性質を持っていたのだろう。

そこから、俺をドロップアウトに誘う種が発芽してだんだんと育ち、身体に染み付いて、ついには「普通」には戻れないところまできてしまったみたいだ。

こんな人生になるとは昔は全く予想していなかったが、この世界で起こることは、簡単には人間の予想になんて収まらないものなのだから仕方ないことなのでしょう。

結婚したらバラ色の人生なんてただの妄想?

今回会った旧友たちは、全員男なのだが、彼らはお堅い仕事についているのにも関わらず、一番盛り上がる話題は不倫の話である。

「この間、ばれちゃってねぇ……」
その後に続く修羅場の話にみんな一斉に耳を向ける。

彼は公務員で20代前半で結婚し子供も2人いる。

すでに結婚してから10年くらい経っているので、妻とのスキンシップもなくなってしまっていたようだ。

不倫の相手は職場の後輩の友達。

後輩と飲んでいたときに出会い、仲良くなってしまった。

今回は、携帯を奥さんに見られたことがきっかけでバレたらしい。

氷つくような修羅場の後、必要最低限の会話しかない日がしばらく続いたらしいが、子供のこともあったのでなんとか和解に辿りついたのだという。

お灸を据えられた彼は現在のところは異性に対する欲望を抑えて生きているようだ。

今回、久しぶりに会った友達の中には、妻に不倫されたヤツもいて、相手の会社にのりこんだとか、離婚にいたる裁判の生々しい話とかも聞いた。

しかし、その友達もバレなかったみたいだが以前に不倫をしていた。

「ネットの出会いが使えんだよ~!そういうこと考えてる子って結構いるんだよなぁ」

彼は不敵な笑みを浮かべながらそう言っていた。

実際にそういうサイトのデザインを見ればなんとなく雰囲気がつかめると思うが、そこに集まる人は欲望を満たしたい人たちだろう。

簡単に不倫相手が見つかるということは、彼のいうように女性の側でも夫に飽きてしまった人がけっこうな数いるというわけだ。

その使っている友人に聞くと、サクラもいないわけではないが、かなりの数の婚約済みを含む女性が登録しているのだという。

もう結婚なんていう制度、やめてしまえばいいのに……

話を戻そう。

彼は同じことをやってんだから、自分の妻を責められないじゃないかと俺は思ってしまったのだが、相手に不倫されるのは許せないのだという。

矛盾だらけの彼なのだが、彼はいろいろうまくやれるらしく、バレなかった。

だが、攻めるところはきっちり攻める。

相手側には自分側の不倫の証拠が握られていなかったのが幸いして、親権も慰謝料もとれたみたいだ。

でも精神的にはだいぶ大変だったようだが。

こういったことはすべて結婚を発端とした事件だ。

「結婚=幸せ」みたいな漠然としたイメージを抱いている人もけっこういるのかもしれないが、結婚生活も長くなれば夫婦生活にも飽き飽きしてくるのは当たり前のことなのだろう。

一見真面目に見えるこの友人らが不倫しているのだから世にはかなりの数の同じようなことをやっている輩がいるに違いない。

芸能界でも不倫はよく話題に上るし、ネットの掲示板なんかでも人気のあるネタである。

心の奥では誰もが興味津々なのだ。

バレたら離婚と慰謝料、その果てに仕事を失うことにまで発展しかねない禁忌なのにも関わらず、そのリスクを冒しながらもハマっていく。

そういう事例を目の当たりにして、当たり前のことだが、人間というのは動物の一種なんだよなぁと改めて確認するのである。

利口ぶって、いくら理性的で文化的生活を営んでいるように見せかけても、動物のもつ基本的な生理的欲求は抑え込めない。

人間なんてそんなものなのだから、結婚したら恋をしてはいけないという規則自体にけっこう無理があると思うのだけれど。

不倫経験者は口を揃えて、「結婚しても恋愛はしたいんだよねぇ〜」といっていた。

男にもこう思っている人が普通にいるんだし、女性にも少なくはないのだろう。

現在の多くの結婚式では、キリスト教でもないのに教会式が選ばれていて、教会とは関係のない一般人のアルバイトの牧師から発せられる「永遠の愛を誓いますか」という誓約を交わす。

このくらい表層的なものになっているんだから、「永遠の愛」なんて誓いは簡単に破棄されてしまうのも当然のように見える。

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しかし、そんな友達の中でも1人だけ「不倫なんて到底できないよ〜」というヤツがいた。

その友人は、どちらかと言うと。引っ込み思案で大胆なことのできない気の小さい男。

しかしこういう男は、リスクを冒すようなことは極力しないように行動するので結果的には家庭も安定するのかもしれない。

夫婦仲も一見だが悪そうではないし、子供にも恵まれ平和な毎日を送っているようだ。

「大胆に、リスクを恐れずに行動しろ!」などとビジネス社会では言われるけれど、「気の小ささ」とか「臆病さ」というのも、ある視点から見れば利点にもなるのかもしれない。

堅実で裏切ることのない男を求めている女性は、頼りなさそうにも見えるかもしれないが、こういう人を選んだらいいんじゃあないか。

人間というのは基本的欲求とか大きな視点でみれば、ほとんど同じようなものだが、性格という小さな観点からみれば、実に多種多様だ。

欲望のままにギラギラと生きていく人間や、それを抑えできるだけ目立たずに生きていく人間、隠れてコソコソとうまくやる人間もいる。

そんなふうに様々な人間がいることが、個々の人間には想像もできないくらいに複雑に絡み合って、この世界を現在のように成り立たせているんだろうな。

そうなると俺のような世界の片隅で生きるドロップアウトにも、この世において何かの役割があるのかもしれないなぁと、勝手な妄想をしながら今日も生きよう。

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