スポンサーリンク

バイトの金でFXを副業でやる時代。本当に損しないで儲かるのか? 教祖と子分の話 (1)

スポンサーリンク

俺は、煙草を吸わないし酒も飲まない。

その代わり、カフェや喫茶店にそこそこの頻度でいく。

家から外に出るきっかけにもなるし、その道中に太陽の光を浴びれるし、散歩することで適度な運動にもなる。

週休5日の日々を過ごすうえでは、これは外せない日課になっている。

今日もカフェに座って休んでいると、隣の席に2人の男がやってきて、注文もせずにすぐに座った。

一人は西洋から来た彫りの深い顔で、背は高いがずんぐりむっくりした印象の男だ。

縮れた髪は短く刈られていて、あごひげは伸ばしっぱなし。

10cmくらいあって仙人みたいになっている。

図体がでかく、どっかの教団の教祖のイメージに近い。

使い古されて汚れたクロックスのサンダルにジャージパンツを履いている。

もう一人はひょろくて、背が小さい。

白い綿のショートパンツから伸びた脚には濃いすね毛がそわそわと生えている。

上は水色ティーシャツ。

それに全体が赤で前部の一部が白の派手なメッシュの野球帽を被っている。

後ろと前を逆にして。

「高くなったら売り時ですもんね~」小さくてひょろい方の男が話しかける。

「そうだね」教祖風な男は、低くて重い声でそっけなく答える。

自然なアクセントの日本語だ。

日本で生まれ育ったハーフか何かなのだろう。

「投資家にとってはここで下がると大きいですよね~、一般人にとってはどうでもいいのかもしれないけど」とひょろい男は早口でしゃべる

「そうだね」

「世界恐慌のときなんてみんなわかったんですかね~」

「どうだったんだろうね~」

「そろそろ注文しますか、何にします?」

「レモンティーで」

ひょろい男はレジに向かって行った。

あの男は教祖のパシリというか子分みたいだ。

なのでここからは彼を子分と呼ぶことにしよう。

教祖のポケットにからは、レシートが頭をのぞかしている。

そこには「いきなりステーキ」の文字。

このデカい身体を支えるには相応な店名だ。

どでかい肉で腹をしっかり満たしてからここにきたのだろう。

彼はリュックからそっと本を取り出す。

その本の名は……

ゲーテ全集。

さすが教祖らしい、教養高そうな本だ。

彼はその本に目を通し始めた。

しばらくして、子分が帰ってくる。

「はい、レモンティーです。930円!」

「これ、グランデサイズ?」

「はい、そうです、トールサイズとこれしかなかったんですよ~」

「そうなの?」教祖は子分にお金を差し出す。

俺が思っていたほどの上下関係でもないのかもしれない。

「ミルクチィーおいしぃー」唐突に子分が口にした。

なぜか声のトーンを何段階もあげて。

ミルクチィーって……

それから任天堂DSをバッグから取り出した子分。

「それ、おもしろいの?」教祖が低い声で尋ねる。

「前の失敗を生かして、どんどんよくなっていってますね。間違いなく伸びますよ、このゲーム! おもしろいにゃ~!」

おもしろいにゃ~、って……

教祖は「そうか」とひとこと。

なかなか見ることができないアンバランスな雰囲気の2人組。

俄然興味が出てくる。

スポンサーリンク

教祖が意外にも興味のあることとは?

「疲れた……」教祖がつぶやいた。

「野菜とかとってないと体調管理できませんよ、野菜とかとってます?」

「とってない」

「コンビニとかに売ってる、あれとかおすすめですよ、ビタミンCとか入ってるし」

「あ~」教祖は聞いているのかいないのかよくわからない返事だ。

「ミルクチィ~おいしぃ~」子分も、さっきから定番になった一人言を続ける。

しばらくすると、子分に電話がかかってくる。

「なに?……あ~、自分できった」

きった? 何をきったんだろう?

俺はパソコンを見ながらも、耳のフォーカスは完全に教祖と子分にいく。

「自分でやったらうまく切れたから、ダメになったらいくよ……

あ~、そういえば新しいノートパソコンかったんだよね……

ん~、まあいいや……

またね、はいはい……」

子分は自分で髪を切っているのか。

「あ、もしかして、俺の親の話聞こえてます?」電話を切って子分は教祖に尋ねた。

「ちょっとだけ聞こえた、でもなにかわからない」と教祖はゲーテ全集から目を離さず興味なさそうに答える。

俺は聞いているけどな、と心の中で思う。

「しゃむーい! 半袖じゃここはしゃむーい!」

子分がまた一段と高い声をだした。

教祖はゲーテ全集に没頭していて完全無視。

子分は、ノートパソコンを開く。

Macbookだった。

これがさっき言っていた新しく買ったパソコンなのだろう。

「そ、そういえばですよ、やっぱアップルとソニーは敵でしたね~」

「そうなの」と教祖。

「ソニーのイヤフォンがアップルで使えませんでした」

教祖は返事をせず本に目をやったままだ。

「やべー、Wi-Fiの数がやばい! どれにすればいいんや、わいは!」と悲鳴をあげる子分。

店名と同じのWi-Fiは一つしかないんだが、見つからない人もいるんだろう。

そんなことより自分のことを「わい」と呼ぶやつが現実にいたことに俺は驚いた。

そして、子分は席をたち、店員にWi-Fiについて聞きにいったようだ。

「見つからないぞい。どれ?それがわかったら聞きにいかないんだけどな~。ああ、これか!」

子分は戻ってきてからも1人しゃべり続ける。

「俺、エロ画像とかも基本的にpixivでとりますよ~、興味ないだろうけど」

「ん~興味ない」

これだけでなく教祖はさっきから子分の話には興味なさそうにも見える。

「最近、そういうのばっかりになってきたんですよ」

子分は一人、小声で鼻歌を歌いながら、またMacbookに目をやる。

「ポンドもユーロもだいぶ上がりましたね~、ドルも。」

「懐かしい、最近やってないな」

教祖もFXの話には興味あるのか?

FX取引で損しないで稼げるのか? 子分にとっては副業以上なのか?……

「ダ・イ・ヤ・モ・ン・ドだねぇ~ですね、これは! ! ダイヤモンド型だ! このへんで売りだな……んん~これは下がるやつですね、テクニカル的には……」子分は興奮した様子で一人で画面を見ながらつぶやき続ける。

こんなところでプリンセスプリンセスの歌を聞くとは思わなかった。

「ん~やっぱり、今のバイトより向いてる。やってて勘が働くのはこっちなんですよ。自分はコミュニケーションは得意じゃないわけじゃないですけど、チームでやるのは苦手なんですよぉ~」

「それはいいことだ、向いてるって思ったことをやったほうがいい」と教祖。

これは間違いない。
俺も教祖に同意する。
さすが教祖だ。

「そういう意味ではFXは向いてるのかも。でも僕は実務家としては強くないとおもいますねぇ~……料理はむいてないとおもいますねぇ~、企画力のほうがあると思う」

「そうなんだ」と教祖はそっけない。

相変わらず子分個人のことには興味がないみたいだ。

「今やっただけでも、1時間分の時給ですよ~! わーいわーい!」

子分、すでに1000円くらい勝ったのか。

「この下がり方はいい、勝ちですわ! けっこう理想的じゃないですか?5分か10分ですよね、これ。これでもうバイトの2~3時間分の時給ですよ!」

「清算したの」

「清算しましたぁ~、2700円でしたね、ん!? これは買いかな?」

子分のテンションはさらに上がってきた。

俺がFXの口座を持っている理由

インターネットが普及し、バイトをやりながらFX取引をしている男が普通にカフェにいる時代になった。

この子分のように、毎日レストランのキッチンでバイトしながらも、FXでバイトで稼ぐ以上のお金を稼ごうとしている人間はぞろぞろといるのだろう。

FXを副業にしている人も、いるかもしれない。

俺も無職のころに、口座を作れば数万のキャッシュバックがもらえるというので、DMM外為ジャパンにFXの口座を作ったことがある。

たしかあの頃でも1つの口座をつくるだけで2万くらいキャッシュバックがもらえた。

無職で収入がなかった時代だったので、このキャッシュバックがそこそこの助け舟になった。



この世に存在するものにはたいてい興味がある俺。

一応どんなものかやってみた。

前から疑問はあった。

FXで稼ぐ金というのは、何を価値を生んでいるのか。

前からよくわからなかったのだが、実際にFX取引やってみても、その行為が何の価値を生んでいるのかわからなかった。

だが、うまくできればの話だが、飯を食ったり、服を買ったり、パソコンを買ったりするための金をクリック一つで確かに稼ぐことができる。

これは何の対価なのだろうか。

疑問は深まるばかりだった。

俺の結果はというと、勝ったり損したりを繰り返したが、少しはプラスにはできた。

なぜ俺がこういう投資に一気にお金をかけて生活しようかと思わないかというと、パソコンで数字やグラフをずっと見ながら生活するのが面白くないからだ。

副業としても、FXを毎日やるのはつらい。

それに何を産んでいるのか、その価値がいまいちわからないことも理由の一つ。

お金と数字が大好きな性質だったらハマる可能性もあったかも。

あの時はとりあえずキャッシュバックがもらえたし、損もなかったので、良しとしよう。

FXに向いていないだろう俺は本腰を入れてはいけない。

ああいう数字やグラフを見るのが好きで一気にお金を増やしたい人には、株やFXなどの投資っていうのは向いている人もいるかもしれないが。

教祖も言っていたが、向いていることをやることは大事だ。

さて、子分はこの後も、FX取引を続けていた。

その結果は、次の記事で……